さて、前回お伝えした通り今回は
EQ(イーキュー=イコライザーの略称)の使い方とその効果
について触れていこうと思います。
前回の記事を未読の方は是非一度お目通しをお願いします。
DTMだかなんだか: 「耳で覚えるミックス」シリーズ始めます
http://dtmdakanandaka.blogspot.com/2015/10/blog-post_7.html?spref=tw
EQを使って出来ること
とりあえずEQの役割について再びwiki先生に教えていただきましょう!
" 音響機器のイコライザー (Equalizer) とは、音声信号の周波数特性を変更する音響機器である。イコライザーを使って、音声信号の特定の周波数帯域 (倍音成分や高調波成分あるいはノイズ成分)を強調したり、逆に減少させる事ができ、全体的な音質の補正(平均化)や改善(音像の明確化など)、あるいは 積極的な音作りに使用される。"
(wikipedia内「イコライザー(音響機器)」の項より一部抜粋)
今日の先生は少し小難しいですね。
ざっくりと要約してしまいますが、
帯域ごとの出力を自由に調整できる装置
という事です。
出す・引っ込める
一言にイコライジング(=EQをいじる)と言っても様々な使い方があります。
ですので、ここでは代表的な使い方をご紹介します。
第一の使い方として音質の補正。
まずはこちらの音源を聴いて見てください。
(※ヘッドホン、イヤホン推奨)
このまま曲に突っ込むとギターやベースの帯域とカブリそうなので低域を抑えます。
具体的には
こんな感じで200-300Hz付近を抑え
さらにローカット(ある帯域より下をカット)してみました。
これは受動的なEQの使い方ですが、それ以外にも音作りとして能動的にEQを使う事もできます。
音作りまで踏み込んでみる
例えば
声をもっとキラキラさせたい
とか
ギターの迫力を出したい
とか
さっきまでの話がベースメイクだとしたら、
今度はチークやシャドウなど、魅せるための使い方ですね!
先程と同じ音源で、鳴っていたピアノのキャラクターを少し変えてあげましょう。
8kHz(8,000Hz)付近をブーストしてキラキラ感をアップ。
飛び道具的な使い方も
いわゆる「フィルター」としてEQを使う方法です。
詳しくはシンセの解説の時に書きたいと思いますが、
いわゆるラジオボイスとか拡声器を通した様な音も作る事ができます。
(フリーケンシー=EQのかかる帯域の変動をオートメーション※で書いてます。山の部分が時間と共に左右に動きます。)
※DAWにおけるオートメーションとは、再生中のフェーダーなど各パラメータの動きを記録、自動再生する機能の事。
ただし
フィルターについては専用のエフェクター(プラグイン)もありますので、もしお持ちであればそちらを使った方が早いです。
そして専用のパラメータがあったりして使い勝手も良いです。
いずれにしてもここぞという時に使いましょう。
EQで編集するメリット
メリットというか、そもそもの目的は前述の通り
「音質の補正」と「音作り」です。
これをやってあげないとどういう状態になるか。
歌もギターもベースもドラムもピアノも全力全開でギャンギャン鳴ってたら?
うるっさいだけですし、なにより肝心な"どこを聴かせたいか"がわかりません。
例えば名門のイタリア料理店で
「当店はイタリアンですが実はキーマカレーが最高に美味しいんです!ちなみに壁に飾っている水墨画は〇〇と言う巨匠が描いたもので、トイレは店長の趣味で和式。それから、、、」
何屋さんに来たかわからなくなってきますね。
中身さえしっかりしていれば
「当店自慢のミートソースを是非ご賞味下さい。」
この一言だけで"何が売り"かがわかりますよね。
「何でもかんでも出せば良い。」
ではなく
「肝心要を引き立てる。」
精神です。
またイコライジングにおいて良く言われる言葉ですが
「足し算よりまず引き算で考える。」
事がとても重要です。
どこかを持ち上げる前にまず
どこかを引っ込められるかを考えてみましょう。
話は戻りまして
もちろんEQ以外にも調整できる要素は沢山あるんですが、
特に直接音の印象に深く関わってくるのでEQは慎重かつ大胆にいじりましょう!
次回のEQシリーズでは「キック」(バスドラム)を扱ってみます。
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